アクセル・ソイヤー事件

2014.12.17.Wed.08:26
1987年7月、ミズーリ州のセントラルパークの公園でアクセル・ソイヤー(27歳)が「うちの息子がいなくなった」と騒ぎ出した。行方不明になった息子は、金髪で眼の色は青だと父親は言った。

付近にいた人たちも協力して、公園の中を名前を呼びながら探し回ったが息子は見つからなかった。

誘拐の可能性もあったため、警察へ通報がなされた。警察は一帯の捜索をしたが、結局彼の息子は発見されなかった。

警官はソイヤーの自宅にも立ち寄ってみたが、子供が戻った様子はない。念のため家の中を覗いてみたが、閑散とした様子で、洗濯カゴの中には汚れたおむつが突っ込んであった。既に4歳のはずだが、まだおむつを付けているようだ。

ソイヤーの妻は実家の母親の世話で里帰りしており、一人息子の面倒は、自分がここ数日見ていると事情聴取でソイヤーは話した。

警官が家の回りについて調べている様子を遠目から見ている女がいたので、息子のことについて聞いてみた。

「確かにあの子は泣き虫だけど、母親が年中怒鳴りっぱなしだし、いばりちらしてたから無理もないわ。旦那にもそうなのよ。」と語った。

警官は署に戻って家の様子について報告した。

―ソイヤー家の中を捜索―
結局、捜査の手始めに警察は、ソイヤーの家を捜索することにした。ソイヤーは激怒した。しかしその父親の怒りは、いかにも芝居じみていた。

息子が失踪したことを聞きつけて、母親が警察に乗り込んできた。彼女の怒りは本物で、「警察は何をしてるの! 早く私のあの子を見つけてよ!」と半狂乱になって、警察官に食って掛かった。

その様子を見ながら佇む父親の様子は、その怒りに忠実に従うという素振りであったため、警察は「父親は何かを隠しており、その秘密が妻にバレることを怖れている。」と確信した。

―監視カメラは語る―
母親の怒りが警察の中で爆発している最中、ひとりの鑑識課員が、セントラルパークにある美術館に監視カメラが設置されていることを思い出した。

カメラは公園の遊び場の付近も映している。撮影テープを確認すれば、その時間帯のソイヤー親子の様子が映されているかもしれないと気がついた。

警察は監視カメラの撮影テープを入手し、子供が失踪した時間帯にソイヤー親子が映っているか確認した。

確かにソイヤーは公園にいる姿が映っているが、彼はどう見ても一人だった。しばらくベンチに腰をおろしていたが、やがて「子供がいなくなった」と叫び始めた。もちろん初めから子供などいなかったのだ。

警察はソイヤー家の家宅捜索の鑑識結果が揃うまで待ち、その間にソイヤーの妻を事情聴取した。彼女はヒステリックに夫のことを「嘘つきの怠け者」と吐き捨て、彼女自身がこの行方不明事件について信じられないと証言した。警察は彼女を共犯者のリストから外した。

一方、警察はソイヤーを呼び出し、鑑識の結果について述べた後、状況証拠を目の前に差し出した。

拭いとられてはいたが血痕反応の出た床と家具。しかも付着していた血液は、消えた幼い息子の型と一致していた。台所の流しのふちには、人間の脂肪がこびりついていた。家の裏手に置いてあったゴミ袋には、細かく砕いた人骨が入っていた。居間にちらばっていた大量の犬の毛。

これらの証拠に対して、警察が説明を求めると、ソイヤーは泣きながらすべてを白状した。

―惨劇の一部始終―
一人で息子の世話をしていたソイヤーが、ちょっと目を離したスキに、近所のドーベルマンが家に入り込み、息子に襲いかかっていたのだという。息子は4歳になっていたが、今だおむつを付け、哺乳瓶でミルクを飲んでいるような発育不良の子供だったため、抵抗すら出来なかったようだ。

ソイヤーがやっと犬を追い払い、息子を助けるために近づくと「あの子はボロボロだった。顔面は犬の牙で引き裂かれ、目玉がひとつ食われていた。胸も引き裂かれて体は小刻みに痙攣して、うめき声をあげていた。」とその惨状を話した。

「これが妻にばれたら、あいつは怒り狂うだろう。これで俺もおしまいだ」と息子を心配する前に自分の保身を思った。

「なんとかしなければならない。」

そう思った彼は納戸から斧を取り出し、なんと瀕死の息子に斧を振り下ろした。痙攣をつづけている体に何度も何度も斧を叩きつけた。完全に絶命したわが子に容赦無く刃を振り下ろし続け、小さな死体は細切れになった。それから彼は、ドーベルマンをまた家に呼び戻しその肉の塊を犬に喰わせた。

その取り調べ室で父親の証言を聞いた警官は絶句した。

彼の証言は続く。

「あらかた犬が死体を食い終わったので、流せるものはトイレやキッチンに流し、残りはゴミ袋に詰めた」と静かに話し終わった。

その証言のすべてを聞いた妻は「あいつを殺してやる」と狂ったように叫び錯乱状態になったため、医師が鎮静剤を投与した。

ソイヤーは懲役35年の刑を宣告された。仮釈放の見込みは最低20年間はないということだ。

死体を食べた犬が、どう処分されたかは記録がない。

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